一年生の草本植物であり、全草に独特の臭気(青くさみ)があります。
元来は中央アジア原産であるといわれていますが、わが国には古代から植えられ、現在では各地にみられます。
茎は四角形、緑色で浅い縦溝が通っていて、真っ直ぐに立ち、太さは親指ほどになり、高さは1〜2.5メートルぐらいになります。
茎の横断面(切口)の中心には髄(苧殻の部分)があります。
葉は3〜9枚の小葉が集まって掌状となり、その小葉の辺縁は鋸の歯状に切れ込んでいて、その先端は尖っています。
葉は茎の下部では対生し、生長した茎の部分では互生しています。
花期は夏で、雄花は淡黄緑色5弁で、5本の雄芯があり,葯は懸垂し、黄白色の花粉を沢山つけます。花序は穂状をなし、雌花は緑色で葉腋に密生し、花弁はなく柱頭は二つに分かれていますが、子房は一つです。
成熟した種子は灰白色、灰褐色、小卵形の、いわゆる、アサの実となり、中型の鳥類(ハトなど)の飼料に用いられます。
茎皮の繊維を麻糸とし、皮部を除いた部分はアサガラ又はオガラとして盆の迎え火に使用されます。
秋まき二年生、または春まき一年生、の草本で、高さは100〜150cmに達します。全株は特徴のある帯白緑色で、 ろう質が付着しており、殆ど無毛ですが、花茎や葉の裏の主脈にわずかに毛を認めることもあります。
茎は太く、葉は半ば茎を抱き、下部につく葉は狭長であるのが基本形で、上部につく葉は心臓形をしており、長さは10〜20cm、巾は5〜10cmで、葉のふちは、ぎざぎざになっており、その先端は尖っています。
5、6月頃に4弁の10cm程度の白、赤、紫色等の花を開き、花期が終わると長円形または球形のさく果をつけます。
さく果の未熟時は白粉をおびた淡緑色ですが、成熟すると黄褐色になります。
種子は非常に数が多く、小形で白色、灰色または褐色をしています。
けしの変種には花びらが細裂しているものやボタン型、カーネーション型の八重咲き品があり、
花色の変化は白、桃色、淡紫色、赤色およびこれらの組み合わせがあります。
これらは花が美しいため、誤って庭先などに植えられていることがありますが、一般的な形態は共通であり、当然取り締まりの対象になります。
本種は秋まき二年生、または春まき一年生の草本で形態はソムニフェルム種に近似していますが、草丈は低く50〜100cmで、茎は分枝性が旺盛です。
葉は狭心臓形をしており葉のふちがぎざぎざで、光沢の少ない緑色をしています。
花梗やがくには毛が多く、花はソムニフェルム種に比べ、やや小さく、淡紫色または、赤色の4弁花です。さく果は無毛で、下側が細い球形をしています。
本種はペルシャ地方原産の多年性の草本です。草丈は60〜100cmで、全体に白色の剛毛があります。葉は濃緑色で、葉身は羽状に深裂します。初夏に深紅色の花を茎頂に1つ付け、花の下に4〜8個の苞葉があります。
花は大きく径10cmで、花びらは4〜6枚、深紅色で基部に黒紫色の斑点があります。さく果はカップ形で、花盤は平板状で、柱頭は14〜18個です。
オニゲシによく似ていますが、花の色と花のすぐ下の苞葉とで区別できます。
ぐびじんそうとよばれいてるけしで、秋まき二年生の草本です。ソムニフェルム種に比べ小さく弱々しい感じで草丈は40〜50cmで、全株に粗毛が密生し、濃い緑色をしています。
葉は羽状で互生し、中裂または全裂し、裂片は披針形で、葉のふちがきざぎざになっています。
花は初夏に紅、橙々、緋色等の4弁花を開きます。さく果は倒卵形で小さく1〜2cmです。
このけしは花壇用として各地で植栽され、花色が多く、変種には八重咲や花弁の基部が白色をしているもの等があります。
多年草のけし属植物のなかで、鑑賞用として最も広く栽培されている種類です。
草丈は50〜100cmにも達し、全株白色の剛毛でおおわれ、葉はやや革質で濃厚な緑色を呈し、羽状で深裂し、各裂片は細長く葉のふちは鋭いぎざぎざになり、切れ込みは特に深く、葉の長さは20〜50cmです。
初夏の頃オレンジ色から赤色の4〜5弁、10cm程度の大きい花を咲かせます。
花の下に1〜3個の苞葉をつけることがあります。花期が終わると2〜3cmやや球形のさく果をつけます。